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紅葉の拳⑥ ~殉愛~

v1
平日の午後、仲良く帰宅中。
紅葉「それでその芸人がさー・・」
毬井「マジで?」

v2
紅葉「ん、なんだろ」

v3
紅葉「鍛える道具かな」
毬井「なんかバッチくない?」

v4
謎の男「とう!」
ズボァッ
2人「ひっ!」

v5
謎の男「それに目を付けるとは、お目が高いね!」
バンッ!

v6
謎の男「おさげの君の言う通り、それはディップバーという筋トレマシンだよ」

v7
毬井「いきなり何ですかあなたは!」
謎の男「通りすがりの粗大ごみハンター、見野明隆(みのあきたか)さ」

v8
見野「この町は富豪が多いから、全く使っていない高級品が多く捨てられるのさ」

v9
見野「君らさえ良ければ、すごい拾いものをたくさん見せるけど?」

v10
紅葉「面白そうだね」
毬井「ちょっ、この人絶対ヤバイって!」

vv2
紅葉「人を見かけで判断するのはよくないと思うな!」
毬井「そりゃそうだけど・・」

vv1
紅葉「ぜひ拝見したいです!」
見野「よし、美味しいお茶も用意するよ」
毬井「ちょっとぉ~・・」

v11
紅葉「私は霧生紅葉です!あの子は・・」
毬井(変な真似したらやっつけてやる!)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

v12
毬井(まさか下水道を通るなんて・・)

v13
毬井「げっ、ドブネズミ・・」
紅葉「おっきいですね!」
見野「よく見ればかわいいよ」

v14
見野「さあ、ここが僕のねぐらさ!」
2人「おお!」

v15
ドオオォォォォオオォオン
毬井「生活道具がそろってる!」
紅葉「それに広いです!」
見野「お茶入れるから、座って待っててね」

v16
ギッシギッシ
紅葉「高級なソファーだ!」
毬井「・・モミモミ、ちょっと耳かして」

v17
毬井「何か食べ物出されても、一切口にしちゃ駄目だから」

v18
紅葉「えー、折角用意してくれるのに・・」
毬井「何企んでるか分からないでしょ!」

v19
見野「お待ち遠様!」
ぬっ
毬井「うぉぉびっくりした!」

v20
見野「拾いものだけど衛生的に問題ないから、安心して食べてね」

v21
毬井「折角ですが、私たちおなか壊してますから!」

v22
紅葉「おいひい・・ムシャムシャ」
毬井「ちょっ!」

v23
見野「一つ花子君に問題。お店で売れ残った食品はどうするでしょう?」
毬井「そんなの簡っ単!」

v26
毬井「店員さんが山分けするんです!もったいないから!」
紅葉「さすが花子ちゃん・・ずずず」

v27
見野「ブ―不正解!理想的な回答だけど、現実はそうじゃない」

v28
見野「食べ物の約40パーセントは、新品のまま・消費期限内に捨てられているのさ」
2人「えーーー!?」

v29
見野「もったいなくても処分しなきゃ、生産者さんにお金が回らないだろ?社会の大きな欠点さ」

v24
紅葉(生産者さんが頑張って作ったのに・・)

v25
毬井(調理師さんが頑張って作ったのに・・)

v30
見野「そんな食べ物を在り難く食べることは、多少の供養になるかもね」
毬井「確かに・・」
紅葉「生産者さん・・!ぐす」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

v31
謎の男「さあ、腹も満たされたところで拾ったものを披露しよう!」
紅葉「待ってました!」

v32
ドンッ!
「今朝捨てられてたんだ。この金額は驚いたよ」

v33
毬井「どうして捨てる必要が!?」
紅葉「理解できません!」
見野「タンス預金をうっかり・・なんてことはあったけどね」

v34
バンッ!
見野「これも、お金と同じところで拾ったんだよ」
2人「おお!」

v35
毬井「凄いガトリングガン!持ち方がわからないw」
紅葉「ものすごい刃です!」

v36
毬井「憧れのデリンジャー!かわいい!」
見野「欲しければ持って行っていいよ」

v37
紅葉「私はこれが欲しいです!」
謎の男「残念だけど、それ持ち歩いたらすぐ掴まっちゃうよ」

v38
ハッスルハッスル!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

v39
毬井「お邪魔いたしました」
紅葉「見野さんまたね!」

v40
毬井「変わった人だけど、悪い人じゃなかったね」
紅葉「でしょ!」

v41
ドゥルルン

v42
蹴井豆花(けりいまめか):新人SBポリス。狙撃と肉弾戦が得意。
在谷路子(ありしやみちこ):新人SBポリス。運転・メカが得意。

蹴井「仲良さそうだな」
在谷「無駄に職質したいね」

v43
在谷「ごきげんよう、お嬢さんたち」
紅葉「SBポリスのお姉さん!」
毬井(ぎくっ!)

v44
蹴井(おっと、あのお嬢ちゃん何かあるな・・)

v45
蹴井「最近ここらでちょっとした事件があってね」
在谷「お話聞かせてくれる?」

v46
在谷「あなたたちSB学園ね?」
紅葉「そうです・・すりすり」
蹴井「なんか大事そうにバッグ持ってるじゃん?」
毬井「何も隠してません!」

v47
蹴井「嘘をついている味がする・・ペロペロ」
毬井「ああああ!」

v48
蹴井「在谷、持ち物検査!」
毬井「ダメ―!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

v49
藤堂署長:SB警察署長。
藤堂「デリンジャーか・・JKのおもちゃにしては、たちが悪いわね」

v50
藤堂「当署の武器庫から紛失したウェポンに間違いないけれど」

v51
毬井「ゴミ置き場に落ちてたのを拾っただけなんです!(実際そうだし)」

v53
藤堂「まあ、今回はあなたを信用しましょう。没収だけで許してあげる」

v54
藤堂「変なものに興味を持たないで、勉学なさい」
2人「すみませんでした」

v55
藤堂(あの子たちを尾行なさい)
在谷(ウイ、マダム)

v56
毬井「私のせいで、おじさんに迷惑かかっちゃう!」

v57
在谷「あの古典的な土管の中だね」
蹴井「なんか懐かしいな」

v58
蹴井「にしてもお前さん、その年でセーラー服は不自然だろ」
在谷「な!」

v59
在谷「同い年でしょ、このクソビッチ!」
蹴井「なにぉ・・」

v60
謎の巡査「ずっと揉めてろ、馬鹿ポリスどもめ!」
キュウキュウキュウ←土管に入る音

v61
「はあ、はあ、はあ・・」

v62
横流稼頭央(よこながれかずお):若くして悪に染まった巡査
「ゴミ捨て場を取引の場に利用したのが間違いだったぜ!」

v64
「証拠諸共吹っ飛ばしてやらないと、必ず俺に足が付く・・」

v63
「流石の俺も、署長の拷問に堪えられる自信はねえ!」

v65
2人「見野さん!」
見野「ん、君たちか」

v66
毬井「ごめんなささい、もらったピストルがばれちゃって・・」
紅葉「ポリスに見つかって大変でした!」

v67
見野「いや、僕の責任だ。ちゃんと警察に話すよ」
横流「その必要はねえ!」

v68
横流「てめえのお陰で、大事な取引がすべてご破算だぜ」

v69
見野「なるほど、君がゴミ捨て場を闇の取引に・・」
横流「誰がしゃべっていーっつった!」

v70
横流「3人とも両手を上げて、ピアノのところに行け。鉛玉ぶち込まれたくなかったらなぁ!」
見野「この子たちには手を出さないでくれ」

v71
横流(残念だが、いじめを楽しんでる時間はねえ・・)
ブチッ←手榴弾のピンを抜く音

v72
横流「3人仲良くあの世へ行きなぁ!」
ブンッ

v73
手榴弾がアーチを描くように投げられたのは・・

v74
投げた横流が、安全な場所に非難する為である。

v75
並の人間なら、その絶望的状況に判断力を失うが、
2人「もう駄目・・!」

v76
見野だけは一瞬の好機を見逃さず、反射的に刀を抜いいてた。

v77
意外にも、両手に構えたのは刃ではなく、鞘である。

v78
少年時代の草野球しか経験のない彼であったが、

v79
そのスイングは手榴弾の芯を正確にとらえていた。

v80
「チェスト!」
カキーーー――――ンッ!

v81
野見の放った「漆黒の打球」は、横流の眼前へと舞い戻った。

v82
横流(うっそ・・)

v83
(やるじゃない)

v84
見野「逃げるよ、君たち!」
毬井「見野さん!」
紅葉「格好いいですw」

v85
ドゴォオオオオォォォォォォン!

v86
3人「あああああああああああああああああああああああああ!」

v87
メラメラメラ・・

v88
見野「危ないところだった・・!」

v89
紅葉「・・死んじゃったのかな?」
毬井「あんなのくらっちゃ、とても・・」
見野「いや、」

v90
見野「まだ息がある!早く救急車を!」
二人「はい!」

v91
ギンッ!

vv3
横流「うるぁ!」
ドゴッ

vv4
見野「ぐはあ!」
横流「舐めた真似したがって、このビチグソがぁ・・」

vv5
横流「その首かっサバいてや・・」

vv6
ズパ――――――ンッ
「!」

vv7
横流「ぶべらっ」

vv8
紅葉「だいじょぶですかw」
見野「紅葉くん!」

vv9
毬井「伝家の宝刀、マリィスタンプ!」
横流「ひいぃぃ」

vv10
毬井「砂鉄120%増量!」
にやりっ

vv11
毬井「成敗!」
ズドンッ
横流「ひでぶ!」

vv12
紅葉「見野さん、決めて!」
見野「応!」

vv13
ブンッ!
毬井「跳んだ・・」

vv14
二人「た、高い・・!」

vv15
ゴオオオォォォォォォ
見野「宇宙の塵となれ!」

vv16
見野「タイガーコメット!」
ズドオオオオォォォォン

vv17
横流「うげぇ」
メキメキメキ・・

vv18
見野「全ての肋骨が粉砕された・・これで二度と立ち上がれまい」

vv19
蹴井「SBポリス、遅れて参上!」

vv20
在谷「とりあえず、全員逮捕~!」
紅葉「せいとうぼうえいです!」
毬井「また逮捕・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

vv21
紅葉「早く解放されてよかったね」
見野「まあ、何も悪いことしてないからね」
毬井「にしても・・」

vv22
毬井「なんでポリスのお二人が居るんですか!」
在谷「ん・・憧れの人に会うためだけど」
見野「!」

vv23
蹴井「うちらはずっとアンタを探していたんですよ、”タイガーマウス”・・」

vv24
蹴井「あれは5年前・・アンタの20度目の防衛戦だったな」
”おおっとタイガーマウス、ノーモーションのソバットがさく裂!”

vv25
在谷「鬼の強さとフェアプレー精神は、私たちの憧れの的だったわ」
蹴井「二人で小遣いをはたいて、アンタの試合はほとんど観に行ったぜ」

vv26
蹴井「悲劇は試合後半に起きた。相手に花を持たせようと、アンタがスリーパーをあえて受けたとき・・」

vv27
在谷「マスクが外れて、素顔がスクリーンでさらされたのね」

vv28
”おいおい、どうなってんだこりゃ”
”ざわざわ・・ざわざわ・・”

v92
蹴井「以降、タイガーはうずくまってやられっぱなし。そりゃあもう惨めな姿だった」

v93
在谷「当然、会場はブーイングの嵐」
”失望したぜタイガー!”

v94
”彼はもう終わりだな”

v95
蹴井「うちらは悔しいんだか恥ずかしいんだかで、泣きながら会場を出た」
在谷「その試合後、タイガーマウスは姿を消したのよ」

v96
見野「本当にすまない、私がダサいばかりに・・!」

v97
蹴井「ダサイのはアンタの気弱な心だよ!」
在谷「立ち直って、もう一度試合をしてよ!」
見野「しかし・・」

v98
紅葉「私からもお願いします!」ぎゅっ
毬井「最前席で応援するから!」むにゅっ
見野「おお・・!」

v99
在谷「ちょっ、ハニートラップなんて卑怯よ!」
蹴井「うちらも続くぜ!」

v100
見野「待ちたまえ君たち!」
ぎゅっ!

v101
ぴちゃぴちゃレロレロ・・・

v102
ぶちゅ~~~~~~~~~~
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

v103
見野「いやぁ完全に吹っ切れたよ!うじうじ悩んでいたのが馬鹿みたいだ」

v104
蹴井「それじゃあ、」
在谷「やってくれるのね!」

v105
見野「僕はもう一度、この顔でリングに上がり頂点を目指す!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

v106
数か月後、タイガーマウスは素顔のまま復帰。鬼神の強さで決勝を迎えた。
”おおっとカーフブランディングがさく裂!”

v107
毬井「あーもう我慢できない!」
紅葉「花子ちゃん!」

v108
毬井「タイガー、いくよ!」
見野「花子君!」
”おおーっと謎のJKが乱入だ―!”

v109
グシャッ!
”Wアックスボンバー!”

タイガーは再び王者に返り咲き、花子は3日の停学となった。

~完~