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ワクワクのツボ

「どろろ」という手塚漫画がある。物語は
権力を欲した男が、これから産まれてくる自分の子供の体を悪魔にくれてやる、という契約をして・・結局生まれてきた子供は、口だけあって鼻も目も耳もない、芋虫の様な姿だった。その子供は捨てられ、それを外科医(当時の)が拾って育てる。その外科医はその子に義足義手義眼・・など装具を作ってやり、周囲は心眼で分かるようになった。その子は百鬼丸と名付けられ、自分から身体の一部ずつを奪った悪魔を倒しに、父に復讐しにゆく・・という物語(悪魔を倒すとパーツが復元される)。

このように、言葉だけで説明されると非常にぶっ飛んだ話であるが・・
だからこそ、「全身に装具を付けて、どうやって戦うの?」「どんな外見なの?」とかイメージが刺激されるわけで。
作者自身も、この突拍子もないアイデアがぽっと頭に閃いてからは、読者と同じようにワクワクしながら「どろろ」の世界を構築していったのだろう。

アイデアから生まれる謎を徐々に解き明かして行くことが「漫画を描くこと」であり、謎が完全に整理されたときに物語は完結するのだと思う。
dororo

それにしても、手塚作品は身体が欠損するネタが非常に印象的である。
ブラックジャックはもちろん、火の鳥の我王(両腕欠損)とか、仏陀のミゲーラ(失明)とか・・
やはり、ワクワクするツボというか方向性って決まってるんだなと思う。
私にとってはおシッコとか、ですかねw

追記
jojoの続編「スティールボールラン」では、「どろろ」の一部シーンを真似ている。
検索しても画像は出てこなかったが、感動的なシーンなので要チェックです。