時空の風と俺と⑤
- 2017/11/09
- 23:32
源之介「すまねえ、スケキヨさん!はあはあ」
スケキヨ「準備出来てるよ」
源之介「すぐ見せてくれ」
スケキヨ「”SOMATー0”というマシンでね・・現世で心残りな人を探り当て、モニターに表示してくれる」
スケキヨ「少しビリビリ来るよ」
源之介「なんのこれしき!」
マーフィー「モニタート、リンクシタヨウデスヨ」
源之介「何だ、教会か・・」
源之介「バイトちゃん、羽振り良さそうなやつとゴールインかよ!」
スケキヨ「友達?よかったじゃない」
カラーンッコローンッ
源之介「相手は若干軽そうだが、玉の輿に乗れて何よりだぜ!」
ミエ「おじいさんが号泣してる・・」
マーフィー「嬉シイカラカモシレナイデスネ」
スケキヨ「今度はなんだい?」
源之介「俺の親友の”にゃー助”だよ!あいつ無事に拾われやがった!」
源之介「ってええ?」
”アンッアアンッアン♡”
源之介「ミエちゃん、あれがスウェックスだよ・・」
ミエ「観るのは初めてです!」
スケキヨ「よし、次行こう」
”そんで、言ってやったんや!”
”あほぉ、愛想よくせなぁかんでw”
”この子気が強いさかいな・・誰に似たんやろ”
”そりゃど―考えたって、おかーちゃんじゃろ!”
”wwwwwwwwww”
源之介「・・母さん」
源之介「うう!」
スケキヨ「どうやら君の母上は、別の男性と結婚したようだね」
スケキヨ「今ならまだ、元の現世に戻ることもできるよ?」
源之介「ふふ・・」
源之介「スケキヨさん・・俺は今嬉しくて泣いているんだ」
スケキヨ「!」
源之介「母さんは、俺を産むときに亡くなった・・ひどい難産だったものでね」
源之介「そして、親父もすぐに失踪した。俺はずっと一人で生きてきたのさ」
源之介「でも、こんな形で親孝行できるとは思わなかった・・母さん、どうか幸せに生きてくれ!」
こうして藤井源之介は、現世との決別を果たした。
強烈な寂しさと共に、根雪が一気に溶けだしたような清々しさを感じていた。
続く