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カモメ町BLUES①

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ここはB県カモメ町・・
昼は親子連れで賑わうリゾート地だが、夜は売人や博徒が暗躍するヤヴァイ町だ。

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ブォォォォォォォォォォォォォォォ
そんな町でのタクシー業務は楽じゃない・・色々な意味でな。

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JK「お兄さん止まって!はあはあ」
俺「うお!」

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俺「いきなり飛び出して、あぶねーぞ!」
JK「いいから早く出して!」

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ゴロツキA「ざけやがって、このアマ!」
ゴロツキB「ケツにぶち込んでやらあ!」
俺「おっと、これはマジでやばいな・・」
ブォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ
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俺「ここまで来れば安全だぜ」
JK「ありがと、お兄さん♡」

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俺「あいつらと何があったんだ?」
JK「別にぃ・・からかってみただけ」

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俺「お前、見ない顔だが・・この町を舐めてると怪我じゃ済まねーぞ」
JK「いいよ別に」

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JK「何もかもつまんなくってさぁ・・家族からも疎まれてるし、友達なんてうわべだけだし」

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JK「いっそヤクザの女にでもなろっかなぁ・・なんて思って、この町に来たわけ」
ちらり♡

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JK「お兄さん、よく見るとカッコイイじゃん。男らしくて・・」

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JK「幾らか出してくれるなら、抱かれてもいいよ?なんちゃってw」

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キキィッ
俺「駅に着いたぜ。お前の町へ帰るんだ」
JK「えっ」

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JK「何だよ、つまんねーな!」
俺「もっと自分を大事にしな、後悔してからじゃ遅いんだ」
スチャッ

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ブロオォォォォォォォォォォォォォォ・・
JK「このインポ野郎、死んじまえ!」

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JK「自分を大事にしろとか・・聞き飽きたっつーの!」
ぐすっ
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俺「さっきの不良娘、気にかかるぜ・・」

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「思えば俺もガキの頃、随分と無茶したもんだ」
”殺すぞこらぁ!”

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「補導されるたびに、お袋が呼び出され・・ポリ公に平謝りしてよ」
”お母さんにも監督責任がありますよ?”
”すみません!ひとり親なもので、つい甘やかして”

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”喧嘩はするなって、何度言ったら分かるんだよ!”

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”だって仕方ねーじゃん、ダチがピンチなんだからよぉ”
”もう出ていけ、このバカ息子!”
「その日以来、俺はマジで家を出た。顔が合えば叱られるのに、俺だってうんざりしていたんだ」

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「腕力だけが取り柄の俺は、夜の街を根城にして・・気付けば”札付きのワル”になっていた」

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「そんな俺が、お袋の危篤を知らされて・・駆け付けた時にはもう遅かった。憎らしかったお袋なのに、なぜか涙が止まらなかった」

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俺「その時になって、やっと気付いたのは・・お袋だって、俺が憎くて叱ってたわけじゃないってことだ!」

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「おっと、感傷に浸ってる暇はねえ・・あのお嬢ちゃん、やはり気にかかる!」
ガチャッ

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「素直に言うこと聞くわけないんだよな、ああいう馬鹿はよぉぉ!」
ヴオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ

続く!