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紅葉の拳②

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紅葉「う・・ここは・・」

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用務員「お嬢ちゃん、お目覚めかい」
鬼越「昼からよく寝られるな」
紅葉(!)

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丹下独歩:用務員、空手の達人。
鬼越真紀:3年、孤高の不良。

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紅葉「すみません、ご迷惑かけてしまって・・もう行きますから」

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丹下「まだフラフラじゃねえか。少し休んでいきな」

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丹下「アイスしかねえけど、喰ってけよ」

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丹下「・・それで今日もいじめられてたってわけか」

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紅葉「自分でも、どうしたらいいかわからなくて」

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丹下「ひでえ話だなあ、何にも悪いことしちゃいねえのによお・・」

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丹下「そうだ鬼越よ、おめえが助けてやっちゃあどうだ?」
鬼越「嫌です」

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鬼越「もし、アタシが加勢したとして・・ピンチになってもこいつは助けてくれないでしょう」
紅葉「!」

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鬼越「自分では何もせず、他人に血を流させる・・それがいじめられっ子の腐れ根性です」

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鬼越「そんな卑怯者のために、わざわざリスクを背負う気にはなれません!」

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丹下「お前、いくらなんでも言い過ぎだぜぇ」
紅葉「その通りです」

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紅葉「確かに私は非力ないじめられっ子です・・でも」

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紅葉「卑怯者ではありません!友達も見捨てません!」

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鬼越「お前の根性、たしかめてやるぜ!」
丹下「ちょっとお前らっ」
紅葉「すっこんでてください!」

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鬼越「おらあ!」
ビシッ!
紅葉「つぅ!」

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バシッ!
紅葉「くはぁ!」

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鬼越「オネンネしな!」
ドスッ!
紅葉「ひぎぃ!」

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鬼越(馬鹿な・・これだけ殴られて、なぜ倒れない!?)
紅葉「はあはあ、わたしは」

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紅葉「もっと強くなりたいんです・・」

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鬼越「アタシが間違っていた」

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鬼越「お前はだれよりも強くなれる」

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こうして、鬼越真紀と霧生紅葉の強い友情が生まれた。
のちに、丹下独歩はこう述懐している。
「もしこのような出来事が無かったら、少女は暗い人生を歩んでいただろう。暗黒へ陽光が差すように・・少女の運命が変わる瞬間は、まるで奇跡の様だった」

~続く~